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2014/11/16

後味と悪意

招かれざる客たちのビュッフェ (創元推理文庫)招かれざる客たちのビュッフェ (創元推理文庫)
(1990/03)
クリスチアナ・ブランド

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今日は、ラストで(lll゚Д゚)ヒィィィィ となったり工エエェェ(´д`)ェェエエ工
となる話が多く収められた短編集
クリスチアナ・ブランド『招かれざる客たちのビュッフェ』をご紹介します。
巧妙なトリック、後味の悪い話
ラストにどんでん返しがある話が好きな方にはオススメです。

最初は、そんなに読みやすくないし
ハズレかな?と思ったんですが
読んでいるうちに、どんどん引き込まれていきました。
大小さまざまな人間の悪意に満ちた濃厚で素晴らしい短編集でした!
この短編集を読んだ後に他の短編を読むと
物足りなく感じてしまいます。

以下、特に好きな話を簡単にご紹介します。
たいした感想&解説はありません。
若干ネタバレがあります。


血兄弟
そっくりな双子の兄弟がいた。
兄弟は、刑務所に服役している夫を持つ女性リディアを取り合っていた。
ある日、弟はリディアとドライブに行き
木イチゴ摘みをしていた子供をひき殺してしまう。
弟はそのことを兄に話すと
兄は「お前のアリバイをもうしたててやる」と言う。
そして、リディアが妊娠したと弟に告げる。
リディアの夫は刑務所に居る
お腹の子供は浮気相手との子供だとすぐに分かる。
リディアの夫は嫉妬深い。浮気相手の男を半殺しにしてしまうだろう。
そこで、兄はリディアを殺すことを弟に持ちかける。
リディアを殺せば、ひき逃げの犯人と浮気(妊娠)の事実はだれにもバレない。
兄がリディアを殺害し、そのアリバイは弟が偽証することになるが…。
*********************************************************
お互いを庇い合うように見えて
お互い相手に罪を擦り付けるために小細工をしている所が恐ろしくてたまらない!

婚姻飛翔
横暴な金持ち老人キャクストン氏が
若く美しい看護婦エリザベスとの結婚式で
何者かに毒を盛られ死んでしまった。
容疑者は3人の男。
キャクストン氏の息子シオ
前妻の連れ子ビル
キャクストン氏の主治医ロス。
3人ともエリザベスに惹かれていて…。
美しい女王蜂をめぐる3人の働き蜂達。
*********************************************************
犯人はなんとなく分かっていたんですが
どうやって毒を盛ったのかが分かりませんでした。
お金持ちの老人と結婚する美しい女性
その女性をめぐる愛憎劇。
女王蜂という単語。なんだか横溝正史みたいな雰囲気ですねw

コップの中の毒
医者の妻ステラの家に「致死量のモルヒネを飲んだ」
と女がやってきた。
しかし女はモルヒネを飲んでおらず、ステラの夫と浮気をしていて
妊娠したと言い出す。
ゴシップを恐れたステラは
「致死量のモルヒネ」を飲んだと言う女の証言を利用し…。
*********************************************************
完璧なはずが、些細なミスを犯してしまったために
全てが水泡に帰す。
読んでいて、ステラに感情移入してしまいました。
自分がもし、ステラと同じ状況に立たされたら
と考えると、気が狂いそうです!

スケープゴート
13年前に起きた狙撃事件の犯人と疑われ
職を失った父の無念を晴らすために
真犯人は他にいると信じる青年の妄執。
*********************************************************
青年の執念ではなく、まさに妄執。
犯人は父ではないという考えに執着しています。
この作家さんは、気がふれてしまった人や悪意を書くのが
本当に上手いなぁと思います。
狙撃犯の手口や動機が色々討論されるのも
ワクワクドキドキしました。
最後は( ;∀;) イイハナシダナー で終わると思ったら
予想外の展開が待っていました。

スコットランドの姪
スコットランドにいる姪から
財産を騙し取った金持ちの老婆。
彼女はスコットランドの姪から復讐されることを非常に恐れていた。
厳重な防犯設備の屋敷でメイドと二人っきりで住んでいる。
メイドの楽しみは、パブで知り合ったエドガーという男とお喋りする事
実は、エドガーは宝石泥棒で、メイドから屋敷の内部情報を聞きだし
老婆が持っている真珠のネックレスを仲間と共謀し盗んでしまうが…。
*********************************************************
後味が悪い話が続く中で、唯一スカッとする話です。
大好きです。
スコットランドの姪は頭がいいですねw

この家に祝福あれ
ミス・ボーンの家の軒先で
美しい夫婦が雨宿りをしていた。
妻が身重のせいで、住む部屋が見つからないという夫婦を
家の納屋に住まわしてやることにした。
妻は納屋で出産した。
生まれた赤ん坊のために、夫はゆりかごを作った。
納屋で出産した妻マリリン(聖母マリアは馬小屋で出産)
大工仕事が得意な夫ジョー(聖母マリアの夫ジョセフは大工)
まるでキリストの誕生のようだと思うミス・ボーン。
ある日、ミス・ボーンは赤ん坊の頭に光輪があるのを見た。
この赤ん坊はキリストの生まれ変わりに違いない!と信じ込む。
ミス・ボーンの行動はエスカレートし
村の住人がミス・ボーンを医者に見せるように夫婦に注意する。
夫婦は病院に行くことを嫌がるミス・ボーンを騙し
病院に連れて行こうとするが…。
*********************************************************
ブラックです。超絶ブラックです。
でも大好きです。

★オマケ
オマケとして、「囁き」という短編について語っています。
テーマはダフネと純潔。

囁き
ダフィ(ダフネ)という女の子が
従兄のサイモンにしつこくせがんで
荒くれ者が集まるバーに連れて来てもらった。
その結果、ダフィは荒くれ者に強姦されてしまう。
父に荒くれ者が集まるバーに行ったことがバレないように
(父はダフィのことを清らかだと思っているが、ダフィは男遊びが激しい)
サイモンに強姦されたと嘘をつく。
激怒した父は、サイモンを射殺してしまう。
そして父は裁判にかけられるが…。
*********************************************************
女の子の名前が、ギリシャ神話のダフネと同じなのが面白いなと思いました。
ダフネの神話を簡単に説明すると
アポロンにからかわれ、怒ったキューピットは
相手に恋する金の矢をアポロンに
相手を嫌いになる鉛の矢を
近くで川遊びをしていたダフネに放った。
金の矢が胸にささったアポロンは
ダフネに惚れ彼女に熱烈に迫るが
鉛の矢が刺さったダフネはアポロンを拒む。
逃げるダフネを追うアポロン。
あと少しでダフネの肩に手がかかりそうになった瞬間
ダフネは父である河の神に助けを求めます
「お父様、助けて。私はいつまでも清らかな体でいたいの。
たとえどのような物に姿を変えても」
娘の願いを聞いた河の神は
ダフネを月桂樹に変えてしまった。

阿刀田 高さん著『私のギリシャ神話』で
この神話は「娘を清らかな乙女でいさせてあげたい」
という父の願いが難しいと言うことをあらわしている。
というような解説をされていました。
「囁き」もそうですね。
清らかでいてほしいと願う父。
しかし娘は清らかではない(男遊びが激しい)
神話の父(河の神)はダフネを月桂樹に変え
その身を守ってあげましたが、「囁き」の父は
自らの命を絶つことで娘を守りました。
(娘が嘘をついていることに気がつくが
自らが死ぬことにより、あれこれ詮索されず娘の嘘はバレない)
まあ、その結果、娘は色々囁かれちゃうんですけどね。
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